HolmegaardのFloraベース

20xx年。5月。未来世紀日本。

5月だからか、GWが終わった直後だからか、朝からどしゃぶりの雨だからか。やる気の「や」の字も出ない日が続いている。TVをつけると植物愛護法案可決のニュース。沈んだ気持ちに拍車がかかる。来年からは植物の店頭販売禁止だと。いやいや、その前に動物の店頭販売禁止の方が先でしょ？と思うのだけれど、彼らの主張は何でも植物の命を極端に短くする行為が問題だとのこと。おいおい、華道の先人達が泣いてるぞ。
TVでは国会の前でシュプレヒコールをあげる日本花屋連合会の人たちとその代表者のインタビューが流れていた。朝食のスティックパンをかじりながら、花屋の友人に心配している旨を綴ったLINEを送っておく。

思い返せば、私は幸運にも幼少期から花に囲まれた生活を送ってきたように思う。母は華道を趣味としていたし、ダイニングテーブルにはよくその作品が飾られていた。またそれとは別にアートフラワーという造花もよく作っていた。「これ何ていうお花？」という会話を何度もした。私が花の名前をよく知っているのはそんな母のおかげだったりする。
手元のiPhoneを確認する。LINEはまだ未読のまま。

結婚して娘が生まれて、今度は私が花を飾る番になった。娘にも花がある生活の良さを知って欲しい。忙しいと忘れがちだけどなるべく季節の花を飾るようにしている。5歳を少し過ぎたある日、突然「はながかりになる！」と言って、水換えをしてくれた時があった。結局1週間ぐらいしか続かなかったけれど。花器を割らされないかヒヤヒヤしてたから、まあ結果オーライとしておこう。あれからもう何年？
手元のiPhoneを確認する。LINEが既読になっていた。

お気に入りの花器はスコープさんで購入したホルムガードのFloraベース。24cmのshort。水を入れるとどっしりとした安定感があって、長めの枝モノなんかをざっくりと飾るのが好き。フローリングに直置きしても存在感があっていい感じ。これから夏になるとやっぱり透明のガラスの花器が涼しげでいいね。・・・でも来年からはどうなるんだろう？そんなことを思い巡らせていた。

突然のLINEの着信音で目が覚めた。何かおかしな夢を見ていたみたい。
今日は2016年5月9日月曜日。長いGWが終わって週の初めからスタートするという地獄の一週間の始まりの日。やる気の「や」の字も出ない日が続きそう。はあ。
朝食のポタージュスープをすすりながら、フローラに挿したユーカリを見る。やっぱり室内に植物があるっていいね。よし、また1週間がんばろう。今週末はCIRCLEだ。

（冒頭の話はもちろんフィクションです。）

scope version.R（楽天）
Holmegaard Floraベース 24cm
Holmegaard Floraベース 12cm